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2008年01月19日

実るプロジェクトvol.6 〜大根&食育を伝える(食育編)〜

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去年の12/20、毎回とても楽しみにしているVMC講座である
『実るプロジェクト』に参加しました。

この講座は、前半は、調理デモを交えて季節野菜のお話。
後半は、食育の話を聞きながら試食を楽しみます。
講師は田中稔先生。
名古屋でフードコーディネーターをされています。

今回のテーマ食材は、『大根』。食育の話は、
「野菜ソムリエとして食育をどのように伝えるか、教えるか」です。

講座の概要と感想を
“食育編”と“調理編”の2回に分けて書きます。

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食育の対象は、食生活や食の安全・文化・しつけに至るまで
広い範囲に及びます。そのため、話す人によって
「何を食育と考えるか?」は異なるケースが多いのが実情です。
食育をどのように系統立て、自分の言葉で伝えるかというヒントを
先生の体験談を踏まえて教えていただきました。

主な内容は、
■ 「地産地消」と環境問題
■ 伝統野菜を見直そう
■ 子供に対する家庭内での味覚形成の重要性
■ 朝食欠食の危険性
■ 日本の食文化の優位性               etc.です。

この中からいくつか話をピックアップして書きます。

【地産地消】
これは、地域で生産された農産物をその地域で
消費する活動を通じて、生活者と農家を結び付ける取り組みです。
この意義は、環境問題と関連付けて説明すると生活者に伝わりやすい
そうです。

〓地産地消の長所〓
▼ 輸送に使うエネルギーやコストを節約でき、環境に優しい。
▼生活者と農家の双方向のコミュニケーションを通じて
      お互いの物理的・心理的距離が縮まる。
▼新鮮で味が良い青果物を入手できる。

新鮮な野菜は単に栄養価が高く味が良いだけではありません。
水分量が多く熱伝導が良いため、早く火が通ります。
よって、調理時間が短縮や、加熱による栄養分の損失も最小限に
抑える事が可能なんだそうです。

生活者と農家のコミュニケーションが活発になれば、
生活者はどんな人がどのように農産物を作っているかを
自分の目で確かめる機会が増えていきます。
農家は、自分の作った農産物を生活者がどう感じているか、また、
どんなものが欲しいかなどを生活者から直接知る事ができます。
これにより、生活者と農家との信頼感や生産者の意欲が高まり、
地域経済の活性化、そして日本の農業を守ることに繋がっていく

であろうと期待されています。

現状では、良質な農産物を生産している農家が近くにいても、
地元に供給しているケースは非常に少ないので、
生活者が地場野菜をなかなか入手できないでいます。
また、何らかのこだわりを持って生産する農家は、生産量が少なか
ったり、規格外のものもあったりして市場に流しづらいため、生活者と
農家の間を取り持つ人が無いと販売しにくい状況にあります。

生活者と農家、双方の事情を勘案し、両者が良好な関係が築けるよう働きかけたり、流通を活発化できるよう機能的に結びつける仕組みを提案する事なども、野菜ソムリエの活躍の場の一つではないかと田中先生は考えていらっしゃいました。



【なぜ規則正しい食生活が大切か。】
近年、ちょっとした事ですぐキレる子供が増加しています。
この主要な原因の一つとして、子供達が何をどのように食べているか
という「食」に問題があるのではないかと言われています。

私達が快活な毎日を過ごすには、体の機能(特に脳)が活発に
働いていなければなりません。そのためには、
▼ エネルギーを持続的に供給する。
その為には、一日三食の規則正しく食事をすること
▼ ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素を充分に摂り、
栄養素を効率良く利用できるようにすること
     が必要です。
もちろん、過剰にカロリーを摂取しないという条件付きで。

朝起きて夜寝るという通常の生活リズムで暮らしている場合、
前夜に食物から摂ったエネルギーは、朝10時頃までに
使い果たしてしまします。朝食を食べていないと、この時間から
昼食までの間は、エネルギー不足に陥ってしまいます。

朝食を食べない子供は、食べた子供に比べて集中力が無かったり
体調不良を訴える割合が多く、また、テストの結果にも差が出た
という調査結果もあるそうです。

また、朝食を抜くなどの不規則な食事を続けると、1回あたりの
食事量と間食が増加し、過食に繋がる可能性があります。
「肥満外来に通う子供には、必ずと言っていいほど同じ条件がある。それは、親が朝ごはんを作らない事。」
これは、田中先生がvol.4の時に肥満外来で栄養指導をしている方が
指摘していた事として話された事です。この事からも、
規則正しい食生活が、肥満・生活習慣病の予防に繋がると言えます。

そして、脳のエネルギー源となる糖分(炭水化物)は、穀物を中心に
摂取する事が重要です。穀物に含まれる糖分は、果糖や砂糖と異なりゆっくりと消化吸収されるので、持続的に働くからです。
穀物から持続的なエネルギーを摂取し、バランスの良い食事をすれば、
様々な栄養素を効率よく摂取し使うことができます。脳や体に十分な
エネルギーが行き渡る事で、集中力や体調が向上し、快活な毎日が
送れるでしょう。



【家庭料理は、食を選択する能力を育む基本】
田中先生は、家庭料理がいかに大事かというお話をよくされます。
それは、家庭料理が味覚形成のベースになり、食を選択する能力を左右すると考えているからです。

化学調味料や食品添加物の濃い味に慣れてしまうと、素材本来の味が
もの足りなく感じる可能性が指摘されています。人間は美味しいと感じる
食品を積極的に選択していきます。
素材本来の味と化学調味料の味。どちらを美味しいと感じるかで、
将来健康に過ごせるかが決まってしまう可能性もあるのです。

ある研究によると、人間の味覚は8歳までに出来上がる
言われています。この時までに本物の味を体感し、美味しさの基準を
正しく持つ必要があります。

また、田中先生は、
「子供の健全な食習慣や味覚形成は、親の責任である」
と考えています。なぜなら、
食事の主たる作り手は親であり、子供ではないからです。

子供に何をどう食べさせるかは、実質的に親が決めています。
子供は、親が与えたものを信じて口にしている事からも、
親の責任の重さがうかがえます。
正しい味覚の形成を通じて、必要な栄養素を無意識に選択し、
健康を害する食事を避ける能力は身に付いていくのです。


食材の中には、大人になってから美味しさが分かる素材もあります。今好きになれるかは気にせず、可能な限り自然な素材から
色々な味を体験させることも大事です。
その時は、親が美味しそうに
食べるのがポイント。子供に「いつか食べてみたい!!」と思わせれば、
食べられる野菜が増えていくのではないでしょうか。
皆さんも子供の頃に食べられなかった野菜が、大人になってから
食べられるようになった経験はありませんか?

そして、子供は親が自分のために一生懸命作ってくれている事を理解
すれば、料理の味を通じて愛情を受け継ぎ、体とともに心も成長させて
いきます。家庭料理は、人間の愛情を感じる感覚を育む役割も担って
いると言えます。これは、味覚とともに大事な感覚だと思います。



【野菜ソムリエとして話すときのポイント】
田中先生が考える野菜ソムリエとして生活者の前で話す時の要点を
講義全体の中からピックアップしてみました。

   ▼ スキルを上げる為に一番効果があるのは、現場へ行くこと。
      → ex.実際に農作業の経験を積まなければ、なぜ農薬が
          必要なのかを本当には理解できない。
   ▼ 体感させると印象に残りやすい。
      → 実物を持参したり食べ比べをしたりするなどを通じて、
        生活者に素材を見て触って舌で感じる体験をさせると
        効果的。
   ▼ データは信頼できる情報源を使う。
      → データが間違っていると、話の信憑性自体が揺らぐ。
   ▼ 自分が持っている以上のものは人に教えることはできない。
      → 継続的な努力が必要。

メニュー開発などで、プロの料理人を一緒に仕事をする機会が多い
田中先生。その際に感じるのは、
「プロと同じ道具を使いこなし、プロと同じくらいの技術を持って
いなければ、話を親身に聞いてもらえない」という事だそうです。

「田中先生が今も努力を続けているんだから、我々はさらに頑張ら
なければいけない」と身が引き締まる思いがしました。

次回(調理編)へ続く♪


【追記】 2008/01/24 0:15   記事を加筆・再編集

実るプロジェクトvol.6
[食育編(前編)] [調理編(後編)] [編集後記]

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posted by 廉 at 13:56| Comment(0) | 野菜:クラブ活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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